年収200万でも税務調査は入るのか?【白色申告】

永江 将典

公認会計士・税理士
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まさか自分に来るなんて

「大した売り上げじゃない」
「個人事業なんて来ないだろう」
「申告書を提出する時、毎年受付で何も言われないし」
「税金払うと生活できない」

これからどうなってしまうの?

これは白色申告をして税務調査に来られた方から
よく聞く印象がある言葉です。

本日は白色申告で税務調査が来る確率が高い確定申告のパターンと税務調査で狙われやすい業種について紹介します。

白色申告の税務調査

税務調査の規模

年収も高くない自分のところにまさか税務調査は来ないだろうと
そのように話す方も少なくありません。

国税庁が公開している税務調査をどのくらい行っているか
ということが書かれている資料を見ると以外にも小さい金額でも
税務調査の尋ねを個人や事業者に対して行っていることがうかがえます。
(引用:平成30事業年度 所得税及び消費税等の状況 

調査が来やすいのはどれ?

次に税務調査に比較的入られやすい申告書についてみていきます。

以下に同じ内容の申告書が3つあったとします。

①白色申告
②青色申告
③青色申告+税理士サイン

この中で最も調査が来やすいのが白色申告です。

なぜかと言うと昔は白色申告は売上が少ないと
帳簿をつけなくてもいいよというルールがありました。

そこから個人事業の方で経理のこともよく分からない状態の中で
とりあえず白色申告で出しておこうというケースも多く、
いざ中を見てみると集計が雑である傾向にあることから
他の申告書に比べて調査に入りやすいと考えられます。

白色申告で狙われるパターン

では白色申告の中でもどのような申告書が狙われやすいのかを例を上げながら説明していきます。

ケース①売上500万

白色申告で狙われやすいパターンの例として、
このようなケースがあったとします。

白色申告
売上500万
利益100万
扶養家族:妻、子供2人 賃貸住宅
減価償却:ハイエース300万

このような申告をした場合、税務署の所見としては
「利益100万で妻子を養ってハイエースなんか買えないでしょ」
ということで調査の対象として狙われやすくなってきます。

ケース②売上200万

売上が数百万でも税務調査は来ます。

実際に、売上が200万円、300万円で税務調査の連絡が
来たと相談に来る方もにいます。

こういったケースでは主に若い調査官の育成などを兼ねて
調査が行われているような印象を受けます。

ケース③同業との比較

狙われやすいパターンとしてもう一事例あげます。

【自分】
白色申告 
とび職
売上700万
利益300万

【同業者平均値】
白色申告&青色申告
売上700万
利益600万

このケースでは【自分】の利益300万円が他の同業者の平均利益600万と比べて少ないので、経費を水増ししているのではないか?と税務署に狙われる要素のひとつとなります。

このように、自分が提出した申告書と他の同業者の平均値と比べて
経費の水増しや架空の外注費などがないか調査の対象になる場合があります。

税務調査で狙われる業種

次に税務調査に入られやすい業種について紹介します。
国税庁が公開している資料を元に過去10年間に多いのは、

風俗
産廃
その年にもうかっている業界
ダンプ輸送
システムエンジニア
経営コンサル

ほとんど経費のかからない業種などは特に狙われやすいです。

そして白色申告では会社員の副業や仮想通貨などの投資、少ない額でも税務調査にこられる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
白色申告で年収が低くても税務調査は行われることがあります。
狙われるパターンとして生活費に対する高額な経費が疑問視される場合や同業と比べて経費の割合が多い、架空の外注費などが疑われる場合などです。
また税務調査は経費が比較的かからない業種が狙われやすく、白色申告では会社員の副業や仮想通貨など投資で少額であっても調査が入る場合があります。

永江 将典

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