タックスヘイブンやプライベートバンクを利用した海外取引に関する税務調査
最近、海外資産に対する税務調査によるチェックが厳しくなってきています。
あなたの海外の銀行などに預けてある情報は、
日本の税務署はどのくらい把握できるのかしっていますか?
結論
筒抜けですw
地域にもよりますが・・・
たとえば、有力なタックスヘイブンである英領バミューダ諸島。
英領バミューダ諸島に存在する銀行・金融機関の情報は、
日本の税務署は全て入手できます。
というなんとも恐ろしい条約が締結されています。
具体的には、財務省のホームページから確認できます。
この条文を読むと・・・
お互いの国の財務省が管理している銀行その他の金融機関(証券取引所、証券会社など)
のもっている情報を、必要があれば入手して提供しますよ。
ということが書かれています。
筒抜けです。
逆にいえば、この租税条約が締結されるまでは、
海外の金融機関の情報は入手できなかったわけです。
最近、飛行機で海外に行く際に、キャリーバックに現金をつめて、
現地の金融機関に預けて節税(脱税)だ!これでバレない( ´∀`)
みたいな話をたまに聞きますが、まったく意味がないってことですね。
せちがらい世の中です。
この他にも、租税条約が締結されている国として
バミューダ、バハマ、ケイマン、ジャージー、マン島、マカオ、バージン諸島、香港
などどんどん拡大しています。
海外取引の税務調査が増加傾向に!
海外を利用して税金を減らそう!という動きがどんどん増えているので、
税務署も、そんなことは野放しにできない!というわけで頑張り始めています。
国税庁のホームページにも、以下のように宣言されています。
この他にも、オフショア地域を使った節税や、プライベートバンクを使った富裕層の節税にも
税務調査が強化され始めています。
プライベートバンクと税務調査
プライベートバンクというと、スイスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
スイスの銀行口座に預けておくと、預けてあることが絶対にバレない!
というような認識はありませんか?
最低500万ユーロ(約7億円)を預けないといわれるスイスのプライベートバンク口座。
日本国内で営業している外資系プライベートバンクだと純金融資産2億円もっていること
が条件なんてとこもあります(預ける額は2億円でなくてもよい)が、それにくらべたら
はるかに高いハードルですね。
そんなスイスのプライベートバンク口座。
昔は、日本の国税局でも手が出せませんでした。
プライベートバンクは守秘義務を盾に情報を提供することは絶対にしなかったからです。
しかし、現在はスイスのプライベートバンクを取り巻く状況もかわり、
日本の国税局へ誰がいくらもっているか情報提供するようになってしまいました。
銀行は直接は情報開示しないのですが、
日本の国税局が特に悪質な脱税と認めた場合、スイスの銀行を管轄している省庁へ依頼
することで、スイスの省庁経由でプライベートバンク口座の情報開示依頼が銀行へ行わ
れるようになりました。
これは、日本がスイスとのあいだで、2国間租税条約を締結したからです。
2国間ですので、日本とスイスの間だけで、という意味です。
租税条約は、お互い必要と認めた場合には、自国の銀行・証券会社の情報を提供
し合いましょう!という内容の条約です。
銀行の営業許可を出しているお上が、銀行口座の情報を出せ!
と言ってくるのですから、プライベートバンキングをしている銀行も情報を出すしか
ありません。出さなければ、営業停止になりますからね。
ちなみに、日本-スイス間の租税条約の内容は、財務省のサイトからPDFでダウンロード
して確認することができます。
日本-スイス二国間租税条約(クリックすると財務省のページへ飛びます)
とは言っても、税務調査で取得できる情報は限られています。
スイスの銀行へ、全部の日本人が持っている口座の情報を出せ!とは言えないのです。
情報を依頼するためには、入手したい口座を有する人・法人の名前、口座の所在地を伝える
とともに、情報提供依頼にあたり、正当な理由がなければ依頼ができないのです。
国内の税務調査では、調査官は今後の調査で使うために、あなたの取引先情報や取引金額
まで持ち帰ります。また、銀行口座の紹介では、あなたの口座以外にも目に入るめぼしい
口座情報を入手していきます。この辺、理由の説明もなく情報収集されるのですが、
海外銀行についてはそこまでのことはできないのです。
ですので、悪質な脱税をしていて脱税額も1億円を超えるような国税局ないの通常の税務調査
ではなく、強制捜査になる案件の場合ぐらいしか実際にバレることはなさそうではあります。
以上、税務調査に詳しい税理士事務所がお届けしました。