ピアノ教室を個人事業で行っている場合の税務調査のポイント

最終更新日

Comments: 0

永江 将典

公認会計士・税理士
プロフィールへ


今日は、個人事業主でピアノ教室を経営している場合の税務調査のポイントについて
紹介したいと思います。

ピアノ教室で税務調査がくる場合、
儲かっているピアノ教室に税務調査が入るケースが多いです。

チェーン展開しているピアノ教室や、先生が何人もいるピアノ教室が
税務調査の中心で、

ピアノの指導者は自分一人で、
売上も年間~500万円くらいです。

という場合は、税務調査がきたという話を聞いたことがありません。

税務調査がきた場合、どんなことをチェックされるか

個人事業でピアノ教室をしている場合、税務調査が入る確率は低いですが、
0ではありません。

実際、税務調査が入った場合、どのようなことをチェックされるか、
ピアノ教室の税務調査のポイントを紹介していきます。

一番チェックされるポイントは、売上です。
ピアノ教室の場合、毎月の生徒からの月謝を現金で受け取っているところが多いです。

このため、売上をごまかしていないか?
という視点で、あなたが確定申告した売上をチェックしてきます。

そうはいっても、現金で受け取ったものが漏れてないかなんて、
チェックしようがないじゃないか?

と思われるかもしれません。

これから、どんなふうに税務調査官が考えるか、紹介したいと思います。
(ちゃんと申告していれば、全く問題ありませんので、ご安心ください)

現金売上が漏れていないか確認する方法

例えば、毎月の現金の売上として確定申告書上に記載されている金額と、
毎月の通帳への入金額(現金売上の入金)をチェックしていきます。

毎月の月謝を受け取ると、あなたは生活費を除いて、残ったお金を
通帳に入れていたとします。

で、例えば通帳に入れていたお金だけを売上として確定申告していたとします。

この場合、生活費はすでにとってますから、
通帳の金額はどんどん増えていく一方ですよね。

すると、調査官はこんな質問をしています。

「家賃はいくらくらいですか?」
「毎月の食費はいくらくらいですか?」
「子供は学校に通っていますか?学費はどのくらいですか?」

そして、あなたの生活費がだいたいどのくらいか推測します。

すると、生活費分だけ通帳の金額が減らなければいけないはずなのに、
あなたの通帳を見ると減っていない。

⇒通帳にのっている取引以外にお金を稼いでいるハズだ!

と推測してきます。
このようにして、売上の漏れを発見してきます。

他にも、生徒の一覧表を見せてください、といって提出すると、
月謝の回収状況と生徒一覧を照らし合わせて漏れがないかチェックしてきたりします。

あなたがピアノ教室のチラシを作って新聞折込をしていたとします。
すると、新聞折込をしているエリアを把握して、
そのエリアの生徒が生徒一覧に一人もいなければ、
そのエリアの生徒分を売上から除外していないか?

などと推測して、その証拠を集め始めます。

このようにして、あなたが税務署へ提出した確定申告が正しいか、チェックしてきます。
もっとも、ここまでチェックされることはないと思います。
もうちょっとゆるい?チェックで通常は終わります。

ピアノ教室の税務調査のポイント

個人事業で経営しているピアノ教室の税務調査のポイントとして、
特にチェックされやすいポイントです。

 ・交際費、会議費、福利厚生費などの中にプライベートなものが入っていないか
 ・そのほかの経費に架空経費はないか?
 ・家賃などの家事按分割合は適切か?

順番に解説していきますね。

交際費・会議費・福利厚生費にプライベートなものが入っていないか?

個人事業主の方は、多かれ少なかれ、プライベートな飲食費用を
経費に入れている方もいるのではないでしょうか。

というか、やってますよね、このくらい。正直な話。

最近同行させていただいたある個人事業主の方は、
おにぎりやタバコといったコンビニで買った食事代を経費にいれていました。

また、家族でファミリーレストランや回転寿司で食べた際の領収書も
経費にしてしまっていました。

これらがバレる経緯としては・・・

領収書やレシートに記載されている購入した時間帯・日付・頻度がチェックされます。

毎日、夜10時にコンビニで買い物(主に食事)をしており、
ときどきトイレットペーパーや歯ブラシなどが混ざっていたとします。

すると・・・
毎日夜10時、誰と打ち合わせしているのですか?
プライベートで使ったものではないのですか?

と調査官が疑問をぶつけてきます。

さらに、誰かと打ち合わせをしたなら、その内容は何か?
その人に確認を取りたい、といったことを行ってきます。

歯ブラシやトイレットペーパーが混ざっているが、
本当に打ち合わせをしているのか?
それらは何に使ったのか?

と迫ってきます。

また、ファミリーレストランや回転寿司での飲食費用が会議費となっていれば、
やはり誰と打ち合わせをしたか、内容は何か確認されることになります。

これは以前あった話なのですが、
手帳の予定表を調査官がチェックしました。

その際、子供の誕生日パーティーというのが手帳に記載されており、
その日の夜に家族の人数と同じ人数が打ち込まれた飲食関係のレシートが見つかりました。

このようにして、経費の中にプライベートなものが混ざっていないかチェックされます
が、交際費・会議費の内容をみて、ほどほど(常識の範囲内)の回数・金額であれば、
通常はここまではチェックされません。

永江 将典

公認会計士・税理士
プロフィールへ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする