税務調査が入る前に準備すべきこととは?通知が来てからスムーズに税務調査を終えるためのヒント

永江 将典

公認会計士・税理士
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税務調査とは?

税務調査とは、税務署が納税者の確定申告や納税情報について調査を行うことです。
税務調査は突然やってくることもあり、事前に準備しないで対応してしまうと誤った情報を提供してしまったり、情報が煩雑で調査により多くの時間がかかってしまう可能性があります。
ですが、準備と対応の段取りをしっかりと整えれば、スムーズに調査を終えることができます。

ここでは税務調査の連絡や通知が来てから事前に準備すべきすことや、整理するべきことなどを解説します。

税務調査の通知を受けたら最初にすべきことは?手順と注意点

税務調査の通知を受けたら、まず落ち着いて対応することが重要です。
慌てずに対処することで、スムーズに対応できます。
以下に、通知を受けた際に最初にすべき手順と注意点をご紹介します。

手順:
1. 通知書をよく読み、調査の内容や期限を確認する。
2. 調査担当者との連絡先をメモしておく。
3. 通知書に指示された期限内に必要な書類やデータを整理して準備する。
4. 税理士に相談する場合は早めに連絡を取り、支援を仰ぐ。

注意点:
– 通知書に示された期限を守ることが重要です。期限を過ぎると追加の説明を求められる可能性があります。
– 資料やデータの提出に不明な点があれば、速やかに担当者に確認することで誤解を避けられます。
– 調査時の対応は冷静かつ誠実に行うことが必要です。不必要な反発や言い訳は避け、協力的な態度を心がけましょう。

税務調査への早期対応と正確な情報提供は、円滑な調査終了につながる重要なポイントです。
焦らず冷静に対応することで、トラブルを未然に防ぎ、結果的にスムーズに調査を終えることができます。

税務調査の書類の準備で気を付けるべきポイント

調査が入る前の事前準備として情報の整理を行うと、税務調査をスムーズに終えることができます。
まずは事前に不要なものは捨てるようにしましょう。
以下に捨てておくのが望ましいものの例を2つ挙げます。

調査が入る前に捨てるべきもの

①業務上の一時的なメモ
売上や経費など走り書きをしたメモで帳簿などに既に控えた不要なメモ捨てましょう。
不要なメモから別の調査に発展することも稀にあるためです。
余分な誤解や調査時間を生まないためにも不要なものは捨てておくのがベターです。

②取引先と推定されるもの
カレンダーやティッシュなど、取引先でない銀行や証券会社から配られるものを置くのをやめましょう。
取引のない銀行のものがなぜあるのか?と調査官は常に周りの物に目を光らせています。
他に売上の入金口座がないかなどを調べるなどして関係のないところで余分に調査時間が増えることがあります。
取引に関係ないものなどは極力別の場所にしまうなどして対応しましょう。

領収書・帳簿などは捨てない!

帳簿は7年、原子記録(請求書・領収書など)は5年保存しましょう。

これからは自身の申告が正しいことを証明するための書類です。
書類が中途半端にしかないから捨てるのは逆効果です。
何もかも全て捨てられていると、税務署側へ申告する気がないように見える、誠意がみられないという印象を与えてしまいます。

領収書・帳簿がない場合

税務調査では帳簿や領収書などの書類の準備を求められます。
税務調査の必要書類がない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

税務調査で提出すべき書類が不足している場合、まず最初にするべきことは、
税理士に相談し不足している旨を伝え、共同で解決策を模索することです。
紛失したり、保管していなかった場合、ないものはないので仕方がありません。
残っている資料だけでもできるだけ集め、税理士に支援を仰ぎましょう。

税務調査の流れとは?通知から終了までのステップ

税務調査の通知書には調査の対象や期間、必要な書類の提出期限などが記載されています。
通知を受けたら、必要な書類やデータを整理して準備しましょう。

また、自分だけで調査対応するのが不安な場合は
必要に応じて税理士に税務調査の対応を相談することも検討しましょう。

次に、税務調査官が事業所や自宅を訪問し、調査が進行します。
この際、協力的かつ正確に情報提供することが重要です。
税務調査官からの質問には丁寧に回答し、必要な説明や資料を提供しましょう。
税理士に税務調査を依頼する場合は、税理士が税務調査官の質問に対応します。

調査の過程で資料や状況説明の追加情報が必要となる場合もあります。
税理士や調査官に情報を求められた場合は迅速に対応し、調査を円滑に進めましょう。

税務調査が終了する際には、調査結果や修正内容などがまとめられます。
この段階で誤りや漏れがあった場合には、修正することが求められます。
また、税務調査の結果に納得がいかない場合には、異議申し立てを検討することもできます。

以上が通知を受けてから調査が終わるまでの大まかな流れです。
税務調査の流れを理解し、適切に対応することでスムーズに調査を終えることができます。

一人で不安な場合は税務調査を専門とする税理士に相談してみることも検討しましょう。

まとめ

税務調査とは、税務署が納税者の確定申告や納税情報について調査を行うことです。
調査は突然行われることもあり、事前の準備が重要です。

帳簿や領収書などの必要な書類は保存しておく必要があります。
万が一必要な書類がない場合は、税理士と相談して解決策を模索しましょう。

また、税務調査に備えて事前に、帳簿に既に記録した売上や経費などが書かれた不要なメモは捨て、
取引先と関係のない物は別の場所にしまうことで調査官に余計な誤解や調査に時間を与えることを防ぎ、調査をスムーズに終えることができます。

調査の流れは、通知を受けてから日時を調整し、調査当日は調査官が訪問し、情報提供の請求、納税者への質問などが行われます。
その後、調査結果や修正内容がまとめられます。
また、調査の結果に不服がある場合は、異議申し立てを行うことができます。

税務調査に対処する際は、冷静に対応し、正確な情報提供を心がけるようにしましょう。
また、一人で調査に対応することに不安がある場合は必要に応じて税理士の支援を受けることも考慮しましょう。

永江 将典

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