税務調査が来た!調査時に絶対に言ってはいけないこと

永江 将典

公認会計士・税理士
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多くの人にとっては一生に1度あるかないかの税務調査。

税務調査と聞いただけで不安な気持ちになりますよね。
その上、税務調査では調査官の質問に答えることも多々あります。

そこで今回は税務調査が来た時に絶対に言ってはいけないセリフを紹介します。

税務調査は怖い?

弊所は税務署OBが2名以上いることもあり
色々な話を聞いていることもあり、税務調査に関することには普通の税理士よりは詳しいと自負しています。

そんな私ですが、過去に税務調査を受けた経験があります。

税理士になる前は開業のために不動産投資などの副業やプチ事業をしていた時期がありました。
そんな時に税務調査の連絡が来たのです。

その時は超絶、お金がない時期でもあったのですが、まさにその時に税務調査の電話がかかってきました。

本当にお金がなかったので
色々なことを考えては夜も眠れず、瘦せこけ、ご飯の味がしなくなったのを覚えています。

初めての税務調査はそれほど精神的にくるものがありました。

経費でいいだろうと思っていたものも、税務調査でダメと言われてしまった時にお金を払えと言われてもお金がないので資金ショートしてしまう・・・。というのがその時は一番不安に思っていたことでした。

この記事を読んでいる方で税務調査の連絡が来た方であればもしかしたら次の3つの内のどれかに当てはまるのではないでしょうか。

1.アウトな節税をした(脱税)
2.グレーな節税をした
3.合法な節税をした

3の場合は何も恐れることは何もないでしょう。

1と2の場合で調査の連絡が来た人は特に不安ではないでしょうか。

このような場合には、実際の調査時の受け答えの際の発言に、より注意が必要な場合があります。
次の章で説明します。

アウトな節税(脱税)をした場合

まずは1のアウトな節税(脱税)をした場合について説明していきます。

この場合、まず気になるのが税務調査の時にバレるのか?隠し通せるのか?といった疑問ですが答えは「無理」です。

ただし、稀にバレなかったり、隠し通せたという場合があるかもしれませんが、それは調査官のミスや調査の時間的な制約によるものと考えられます。例えば100円の脱税を見つけるのは時間と労力、調査官の人件費と見合わず無駄なため、多くは目をつけることはないでしょう。また、100円を脱税しようと思う人もいないでしょう。しかし、だからと言ってバレないからいいだろうと思うのもダメです。

それ以外の数百万円以上の脱税の場合は必ず見つかります。隠し通すのは到底無理です。諦めて調査を受け入れ、謝りましょう。そして税理士に相談をすることをおすすめします。今後はきちんとしていくという誠意があれば怒る税理士はいません。(少なくともウチは怒りません。)

グレーな節税をした場合

続いてグレーな節税をした場合です。

グレーな節税とは、税金に関する法律を読む限りにいてはダメだと書いていないが、それに想定されることを考えた時にダメであるものに該当する気もするかも、という非常に曖昧なものの場合です。グレーなので、ダメではないというものです。

ここで困ってくるのが、税務調査の時にそれが悪質な脱税と判定された場合です。悪質な脱税だと判定されると調査の期間が7年間に延長される可能性があり、重加算税とうペナルティを負う可能性が非常に高くなります。

そして調査時の受け答えにもっとも気を付けなければいけないのはこの時です。

1つ例をまじえながら説明します。

仮にうっかり売上をもらしてしまい、3年分の税務調査が入った場合を想定します。
売上の漏れが発覚し、調査官から「重加算税だ!」と言われたとします。この時、調査官が重加算税だと言う根拠は国税庁のホームページにも公表されいるとおり、帳簿に記録せずに売上が漏れていた時、帳簿に記録していない売上があったときは重加算税が課せられると書かれています。

ただ、この時に重要なのは、重加算税の背景で、わざとなのかうっかりなのかということです。ここは税務調査で実際に論点となるところです。もしここで調査官から「重加算税だ!」と言われ、「わかりました」と言ってしまった場合にはわざと売上を計上しなかったとみなされてしまいます。

他にも「書いてあるから仕方なたないですね」や「(記憶なく)そうかもしれません」などと言ってはいけません。事実と違うのに、「はい」と言えば早く終わるだろうと安易に調査官の主張を認めていけません。

初めての税務調査の場合は緊張や不安もあると思います。調査官の質問に即答しなければいけないとい訳ではないので、落ち着いてから、「後日確認します」とワンクッション入れるようにしましょう。

そしてその間に税理士に相談しましょう。

間違っても、事実と違うことを認めてしまわないよう、注意しましょう。

まとめ

いかかでしたでしょうか。

税務調査はほとんどの人にとって一生に一度の経験であり、不安を感じるものです。
税務調査における発言には注意が必要です。脱税やを行った場合には、調査で発覚する可能性が高く、隠し通せるものではありません。誠意を持って受け入れる他ありません。また、グレーな節税に関しては、調査官の判断によって悪質な脱税とされる可能性があり、その際には慎重な対応が必要です。事実と違う場合は調査官の主張には安易に同意せず、落ち着いて対応し、必要であれば税理士に相談しましょう。

永江 将典

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