家賃を半額経費にしたけど、実際はそんなに使ってない・・・税務調査が心配です

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永江 将典

公認会計士・税理士
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個人事業主の方で、自宅家賃を経費にしている方も多いのではないでしょうか。

そして、実際に仕事で使っている割合よりも多めに経費にしていたりしませんか!?

税務署から、税務調査するぞ!!
と電話がかかってきた方のために、こんなときどうなってしますのか?

紹介したいと思います。

自宅を経費にしている割合が多すぎるとき・・・

私が税務調査官だとしたら、
あなたの家に税務調査で訪問します。

そして、実際の仕事場を見せてもらいます。
次に、実際の仕事場の面積を計算します。
不動産会社などから、物件の間取りを入手して、
正確に計算します。

このようにして、実際に仕事で使っている面積と
家全体の面積の割合を算出します。

あなたが家賃を経費にしていた割合と、実際に仕事で使っている面積の
割合を比べて、実際の面積のほうが少ないようであれば、

『実際よりも家賃を計上しすぎですね。
 実際の家賃使用割合で計算すると、これだけ経費が減ります。
 だからこれだけ税金が増えるので、追加で払ってください』

と主張します。

ここであなたが私の主張を覆せない場合、
追加で税金を支払うことになります。

調査官の主張が納得できない場合

ところで、調査官がこれが実際の使用割合となるため、
追加で税金を払え!と言ってきた主張に納得できない場合もあると思います。

そんなとき、どうしたらよいか紹介します。

結論:実際に使っている割合が調査官の主張より多い場合、
   自分が計算した根拠を示し、調査官を納得させます

例えばですが・・・
家に部屋が4つあったとします。

現在仕事で使っている部屋は1部屋です。
過去使っていた部屋は2部屋です。
調査官は現在の使用割合で25%が経費だ!と言ってきたとします。
自分は、過去の使用割合50%だと思っているとします。

この場合は、過去に部屋を4部屋使っていたぞ!
と自分が証明しなければいけません。

例えば・・・現在議論の対象となっているときの部屋の
写真が残っていたとします。日付もばっちりついてます。

このような資料があると、主張しやすいですね。
一番いいのは、どらえ●んのタイムマシーンで調査官と当時
まで遡ることができたら最高なのですが・・・

さすがにそれは無理です。

当時の写真があればよいですが、
写真がなかった場合のことも考えてみましょう。

例えば、現在議論の対象となっている2部屋使っていたとき。
このときは、現在の事業に加えて、もう一つ事業をしていたとしましょう。

たとえば、せどりをしていたとします。
せどりをしていた場合、当然仕入れた商品を置いておく倉庫が必要ですよね。

決算書にも在庫が100万円残っていて、
アマゾンやヤフーオークションからの入金記録も残っていたとします。

とすると・・・1部屋をまるまる倉庫として利用していたことが
容易に想像できます。

状況証拠になってしまいますが、このような主張も可能だと思います。
あとは、自分の場合だったら、どうやって説明したら調査官は納得してくれるだろう?
と考えながら調査官の質問・主張に回答していくことになります。

家事按分する経費の税務調査での扱い

家賃や水道光熱費、携帯電話の通話料、ガソリン代に駐車場代と
プライベートでも仕事でも使っている経費ってあると思います。

このような経費は、仕事で使っている割合とプライベートで使っている割合を決め、
仕事で使っている分だけを経費にすることになります。

このように経費をわけることを家事按分といいます。

家事按分している経費の税務調査でのポイント

家事按分している経費は、税務調査で調査官からチェックされやすいポイントです。

プライベートでも仕事でも利用している経費は、家事按分する!
ということを知っている方は多いです。

しかし、次のルールを知っている方は少ないです。
(で、税務調査でもめて、税務調査の同行を依頼いただくことが多いです)

プライベートでも仕事でも共通して使うような経費で、
どこからどこまでがプライベート用で、どこからどこまでが仕事用か
はっきりわけることができないものってありますよね。

このような、どれだけ使っているよ!
ということをはっきりと示せない経費は・・・

1円たりとも経費にいれてはいけない

という恐ろしいルールがあります。

例えば、携帯電話。
1台しかもってなかったとします。

このとき、税務調査で調査官から

「携帯電話が経費になっているけど、仕事で使う割合はどうやって計算したの?」

と聞かれたとします。
このとき、調査官を納得させる回答ができなかったとします。

すると、このように言われます。

「はっきりわけられないってことですね。では、全額経費として認められません」
「なぜなら、ここ(国税庁のホームページなど)にはっきりと書いてあるからです」

これはもう対抗できません。
税金の法律にしっかりと書かれているためです。

税務調査で家事按分している経費を減らされないためには!?

このように書くと、じゃぁ・・・
家賃も電話もガソリン代なども、経費にできないのですか!?
という質問をいただきます。

そんなことはありません。
ちゃんと経費にする方法はあります。

これは、家事按分した際の経費とする割合を計算した根拠をしっかりと残しておき、
調査官にいつでも提示できるようにしておくことです。

根拠なく家事按分していると、調査官から経費除外されてしまいます。
おれはこうやってはっきりとわけたんだ!!

と主張することができれば、通常は経費として認めてもらえます。
例えば、家賃の場合。

4部屋あって、そのうちの1部屋を仕事道具をおく倉庫とそいて使っていたとします。
そして、家賃の25%を経費としていたとします。

税務調査が来た時に、どうやって経費の割合計算したの?
と聞かれたら、堂々と言ってやりましょう。

この仕事道具が置いてある部屋見てください!
この部屋の家賃相当額を経費としています。

と伝えることができればOKです。

そのほかの電話代やガソリン代なども合理的な基準で経費としていれば、
通常、税務調査の際に問題となることはありません。

永江 将典

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