税務調査でよく聞かれること 個人質問内容 FAQをまとめて解説
個人の税務調査で聞かれる質問内容を完全整理|よくある質問・NG対応・準備手順まで解説
税務調査の個人へのヒアリングでは、「事業の実態・お金の流れ・私生活との関係」を中心に、税務署が申告内容の妥当性を確認する質問が集中的に行われます。
本記事では、代表的な質問内容とその意図、答え方のポイント、FAQを整理し、個人の方が税務調査への不安を減らせるよう実務目線で解説します。
【この記事のポイント】
個人の税務調査では、事業内容・売上・経費・資金の流れ・家族や生活実態に関する質問が必ず聞かれます。
質問の目的は「隠れた収入や過大な経費がないか」を確認することであり、質問自体は制度に基づく正当なものです。
あらかじめ質問内容と回答の考え方を押さえ、帳簿・通帳・領収書を整理しておくことが、もっとも実務的な税務調査対策です。
今日のおさらい:要点3つ
「個人の税務調査の質問内容」は、事業実態と生活実態をセットで確認するヒアリングが中心。
事前準備として、売上・経費・銀行口座・家族構成に関する説明を一通り言語化しておくことが重要。
税理士と相談しながら、事実に即して簡潔に回答すれば、過度に恐れる必要はありません。
この記事の結論
結論として、個人の税務調査で聞かれる質問はパターンが決まっており、事業内容・売上・経費・資金の流れ・私生活の4軸を押さえて準備すれば、慌てず対応できます。
一言で言うと、「どんな仕事をどういうお金の流れで行い、その生活が申告と整合しているか」を確認する場です。
最も大事なのは、帳簿と現実が一致していることを、質問への回答を通じて説明できるようにしておくことです。
売上・経費の根拠資料(通帳・領収書・契約書)を揃え、口座の公私混同を最小限にしておくことが実践的な対策です。
質問に対しては、事実のみを簡潔に回答し、「推測」や「曖昧な答え」を避けることが、結果として指摘リスクを下げます。
個人の税務調査ではどんな質問をされる?基本パターンと意図
結論から言うと、個人の税務調査の質問は「事業の概要」「売上・経費」「資金繰り」「家族・生活実態」の4カテゴリーに整理できます。
これは、税務署が「収入の漏れ」や「過大な経費計上」がないか、全体像から点検するための標準的なフレームだからです。
たとえば、同じ売上規模でも生活水準が明らかに高い場合には、「申告外収入はないか」の追加質問が入ることがあります。
事業内容・仕事の実態に関する質問
一言で言うと、「どんなビジネスでどう稼いでいるか」を把握するための質問です。
典型的な質問例
- どのようなお仕事(事業)をされていますか。
- お客様(取引先)はどのような方が多いですか。
- 売上はどのような流れで発生しますか(ネット販売・現金商売・請負など)。
意図
仕事内容以外の収入がないか、申告していない「別の収入源」がないかを確認するためです。
現金商売やプラットフォーム経由売上(フリマアプリ・オンラインサービスなど)があるかも、ここで把握されます。
具体例として、個人エンジニアであれば「常駐案件か在宅か」「請負か準委任か」「エージェント経由か直請けか」といった点を聞かれることが多くなります。
売上・入金に関する質問
結論として、売上の質問は「売上計上漏れ」の有無を見抜くために最重要視されます。
よくある質問内容
- 売上の計上タイミングはいつですか(納品時・検収時・入金時など)。
- 売上は現金・振込・カードなど、どの支払い手段が多いですか。
- 売掛金の管理方法はどうしていますか。
調査官の視点
通帳の入金(売上と思われるもの)が帳簿の売上と一致しているかを確認します。
オンライン決済サービス(PayPay、クレカ決済、モール売上)が帳簿にきちんと反映されているかもチェック対象です。
たとえばネットショップ運営者であれば、「モールの売上レポート」と「通帳の入金」「売上帳」の整合性を問われることが一般的です。
経費・領収書に関する質問
一言で言うと、「本当に事業に必要な支出か」を確かめるための質問です。
主な質問
- 経費の領収書はどのように保管していますか。
- 家事関連費(自宅家賃・光熱費・通信費など)は、どのように按分していますか。
- 接待交際費・交通費・旅費の内容を具体的に教えてください。
意図
架空経費や私的支出の計上がないか、判断材料を集めています。
自宅兼事務所の場合、按分に無理がないか(たとえば家賃全額を経費にしていないか)を重点的に確認します。
具体例として、自家用車を事業と兼用している個人事業主の場合、「年間走行距離」「仕事で使った距離の割合」などを説明できると、経費按分の説得力が高まります。
資金の流れ・銀行口座に関する質問
結論として、資金の流れに関する質問は、銀行口座を軸に「見えていない売上や資産」をあぶり出すことが目的です。
よくある質問
- メインバンクはどちらですか。
- 事業用と個人用の口座は分けていますか。
- 他に取引のある金融機関はありますか。
- ローンや個人的な借り入れはありますか。
ポイント
個人口座に事業の入金が混在していると、追加で通帳の提出や取引の説明を求められる可能性が高くなります。
多額の入出金がある場合、「出所」「用途」を質問されることが一般的です(親族からの贈与・貸付・資金移動など)。
副業サラリーマンで、給与口座に副業収入が混在しているケースでは、「これは給与ですか?売上ですか?」と取引ごとの説明を求められることもあります。
家族構成・生活実態に関する質問
一言で言うと、「生活レベルと申告所得にギャップがないか」を見る質問です。
代表的な質問
- ご家族は何人ですか、どのようなお仕事をされていますか。
- 月々の家賃はいくらですか。
- お子さんの学校や大きな支出(留学・住宅ローンなど)はありますか。
意図
生活費の水準から見て、申告所得があまりに低くないかをチェックしています。
家族への給与・専従者給与の妥当性や、扶養控除の適用状況も、この会話の中で推測されます。
たとえば「所得が非常に低いのに、毎年海外旅行に行き、高額な住宅ローンを返済している」といった場合、「他に収入源があるのでは」という追加質問につながる可能性があります。
初日のヒアリングで必ず聞かれることは?
結論として、税務調査初日のヒアリングでは、「事業の概要」「帳簿の作成方法」「申告の体制」に関する質問が必ずセットで行われます。
これは、調査官が最初に全体像を把握し、その後の帳簿チェックの重点ポイントを絞り込むためです。
たとえば、記帳をすべて税理士に任せているのか、自分でクラウド会計ソフトを使っているのかによって、調査官の質問の深さが変わってきます。
初日の基本質問セット
一言で言うと、「必ず聞かれる質問」はテンプレート化されています。
主な質問例
- いつからこの事業を始めましたか。
- 創業のきっかけと、これまでの経緯を教えてください。
- 帳簿は誰が、どのような方法で作成していますか(手書き・Excel・会計ソフトなど)。
- 確定申告書はご自身で作成しましたか、それとも税理士が作成しましたか。
なぜ聞かれるのか
開業時期と売上・利益の推移が、事業として自然かどうかを把握するためです。
記帳レベルや税務リテラシーを見て、「単純ミスなのか意図的なものか」を判断する材料にしています。
個人事業主がよく聞かれる追加質問
結論として、個人事業主には「人件費・外注費・家族の関与」に関する追加質問が多くなります。
代表的な質問
- 従業員(アルバイト・パート含む)は何名ですか。
- ご家族でお手伝いされている方はいらっしゃいますか。
- 外注先はどのような会社・個人ですか、継続的な関係ですか。
意図
架空人件費や名義預金がないか、家族への給与が「実態のある対価」かを確認します。
外注費と人件費の区分が適切か、源泉所得税の徴収漏れがないかもチェックされます。
たとえば、家族に給与を支払っている場合、「具体的にどんな業務を、週何時間くらい行っていますか」といった詳細を質問されることが一般的です。
副業・ネットビジネス・投資に関する質問
一言で言うと、近年は「副業・ネット収入・投資」に関する質問が増えています。
想定される質問
- 本業のほかに、副業やアルバイト収入はありますか。
- ネットオークション・フリマアプリ・アフィリエイト・動画配信などの収入はありますか。
- 仮想通貨・株式・FXなどの取引はされていますか。
背景
マイナンバーや金融機関からの情報提供により、投資口座や副業収入の把握が進んでいます。
申告漏れが多い分野であり、重点的に確認される傾向があります。
副業サラリーマンのケースでは、「給与以外の収入」「副業の有無」「その他の口座の存在」が特に聞かれやすいポイントです。
どう答えるべき?NG対応と準備手順
結論として、「正直・簡潔・一貫」の3つを守って回答することが、個人の税務調査では最も重要です。
一言で言うと、「誤魔化そうとする姿勢」そのものが、調査官の警戒心を高めてしまう最大のNG対応です。
たとえば、その場しのぎで回答を変えてしまうと、後から帳簿・通帳との整合性が取れなくなり、かえって追及が厳しくなるおそれがあります。
NG対応パターンとリスク
最も大事なのは、「曖昧なごまかし」が一番疑念を招く行動だと理解することです。
典型的なNG例
- 記憶が曖昧なのに、推測で答えてしまう。
- 「よく分かりません」「税理士に任せています」ですべてを済ませようとする。
- 通帳や領収書の提出を極力避けようとする態度を見せる。
なぜ危険か
後日提出資料と発言内容の齟齬が出ると、「虚偽説明」と受け取られかねません。
必要な資料を出さない姿勢は、調査を長引かせ、指摘事項が増えるきっかけにもなります。
理想的な回答のスタンス
結論として、税務調査の質問には「知っている事実だけを、落ち着いて伝える」ことが最善です。
回答のコツ
- 分からないことは「ここまでは分かるが、それ以上は資料を確認させてください」と正直に伝える。
- 主観的な「多分」「おそらく」は避け、数字や資料に基づいた説明を心掛ける。
- 専門的な部分は、事前に税理士と役割分担(誰がどの質問に答えるか)を決めておく。
具体例
「この入金は何ですか?」と聞かれた場合
- 悪例:「多分、売上だと思います」
- 良例:「この日は〇〇社からの売上入金です。請求書もありますので後ほどお見せします」
事前準備の6ステップ
個人で税務調査に備えるなら、次の6ステップを押さえることをおすすめします。
- 対象期間の帳簿(総勘定元帳・売上帳・経費帳)を最新の状態に整理する。
- 通帳・クレジットカード明細・オンライン決済の履歴を印刷またはPDFで準備する。
- 売上と入金の対応関係が分かるよう、請求書・契約書をファイルにまとめる。
- 主な経費(家賃・光熱費・通信費・車両費)の按分根拠を、メモでよいので説明可能な形にする。
- 家族構成・借入・大きな資産購入(住宅・車など)の概要を整理しておく。
- 税理士がいる場合は、事前に想定質問と回答案を共有し、当日の役割分担を決める。
この準備をしておけば、多くの質問に対して「即答+資料で裏付け」という理想的な対応がしやすくなります。
よくある質問
Q1. 個人でも税務調査は来ますか?
A1. 個人でも、所得税・消費税・相続税・贈与税などが対象となり、条件次第で税務調査が行われます(法人だけのものではありません)。
Q2. 税務調査ではどんな質問をされますか?
A2. 事業内容、売上の計上方法、経費の内容、銀行口座や借入、家族構成や生活実態など、申告内容の妥当性を確認する質問が中心です。
Q3. 税務調査で必ず聞かれることは何ですか?
A3. 必ず聞かれるのは「いつからどんな事業をしているか」「帳簿は誰がどう作っているか」「申告は誰が行ったか」です。
Q4. 税務調査で答えにくい質問が来たらどうすればいいですか?
A4. 分からないことは無理に答えず、「資料を確認したうえで改めてお伝えします」と伝え、事実に基づいて後日回答するのが安全です。
Q5. 家族構成や生活費まで聞かれるのはなぜですか?
A5. 申告された所得で生活が成り立つか、生活水準と収入に不自然なギャップがないかを確認するためです。
Q6. 税務調査でやってはいけないNG対応は?
A6. 推測で答える、説明を二転三転させる、通帳や領収書の提示を過度に嫌がる、といった行動は不信感を招き、調査が長引く原因になります。
Q7. 税務調査の前に最低限やっておくべき準備は?
A7. 帳簿の整理、通帳と売上・経費の照合、主な経費の按分根拠の整理、税理士との事前打ち合わせの4点をしておくと、当日の対応が格段にスムーズになります。
Q8. 副業や投資も税務調査の対象になりますか?
A8. 副業収入や株式・FX・仮想通貨などの投資益も、条件を満たせば課税対象であり、税務調査でも確認されることがあります。
Q9. 個人の税務調査は過去何年分まで見られますか?
A9. 通常は過去3年分前後ですが、悪質な場合などには最大7年分まで遡って調査されることがあります。
まとめ
個人の税務調査の質問内容は、「事業内容・売上・経費・資金の流れ・生活実態」の4つに整理して準備するのが効果的です。
質問に対しては、「正直・簡潔・一貫」を守り、分からないことは資料確認後に回答する姿勢が、最も安全です。
帳簿・通帳・領収書の整合性と、経費按分の根拠を事前に整理することが、実務上もっとも有効な税務調査対策です。
副業・ネット収入・投資なども含め、すべての収入源を把握し、必要な申告を済ませておけば、税務調査を過度に恐れる必要はありません。
